関節をスムーズに動かすために重要な役割を担っているものが「滑膜」と呼ばれる組織です。この滑膜の中に含まれる「幹細胞」は増殖する能力や膝の軟骨をつくる能力に優れています。
患者さんご自身の膝から滑膜を採取して、幹細胞を培養したものを膝に投与することで痛みの軽減や軟骨再生を図る治療です。
2023年に実際の患者さんへの実施が認められた最新の再生医療であり、全国でも限られた医療機関でしか行われていません。東海北陸厚生局へ再生医療等提供計画を提出し、認可を受けている治療になります。
治療可能な部位
- 膝関節
この治療がおすすめな方
- 膝に痛みがある方
- これまでの治療で効果が見られなかった方
- 変形性膝関節症と診断された方
- 手術は避けたい方
- 最新の治療に改善を期待したい方
滑膜幹細胞のメリット
- 手術や入院をしなくてよい
- 患者さん自身の滑膜幹細胞を使うため、副反応が起きにくい
- 治療当日から基本的に制限のない生活を送ることができる
- ASCと比較すると細胞培養にかかる期間が短く、投与までの期間も短縮できる(ASC:6週、滑膜幹細胞:2週間程度)
- 膝の中の滑膜を採取するため、皮下脂肪の少ない方でも幹細胞治療を受けることができる
滑膜幹細胞のデメリット
- 麻酔を使用し、関節鏡下で滑膜を採取するため、採血だけのAPSやPRPと比較すると身体的な負担がある
- 治療効果に個人差がある
- 保険適応外の治療である